開発ストーリー

【「ねぎ美人(MB-1000)」誕生までの秘話~History~】

とある日のこと・・・
鳥取県農業試験場の研究員から一本の連絡がありました。

ネギの土寄せに関する農具の開発を当社にお願いできないかという旨でした。

既に、鳥取県農業試験場はローラー式の土寄せ器を開発してあった状態でしたが
実際に作業を行うと、後進作業となり危険性を伴うものでした。

そもそも・・・
ネギの土寄せは、どういう目的でどのように行われているのでしょうか?

<ネギを土寄せする理由(ワケ)とは?>
長ネギや白ネギ特有の白い部分を長くするために、出荷前に土を寄せていきます。ただ、管理機で寄せるだけでは
土や砂がネギの株元まで入り込まず、隙間から日光が入りせっかくの白い部分が緑色になってしまいます。
こうなると、出荷基準を満たさなくなってしまい、ネギの単価も下落してしまいます。
また、強風などでネギが倒伏してしまうことを防ぐため、土を寄せる必要があります。

<ネギを土寄せする方法とは?>
一般的に、管理機(歩行型・乗用型)を使用して、土を上げていきます。
土をあげて、そのままの方もおられますし、土寄せ鍬などを使用して
グイグイ土を入れ込む方もおられます。

一番、しっかり土寄せをおこなえる方法は
グイグイ土を鍬などで押し込むことだと思いますが
作付面積が大きいほど、それは大変な労力となります・・・。

 

冒頭に話を戻しますね!
鳥取県農業試験業のローラー式培土器では、管理機に装着タイプで
後進する作業となっていました。
確かに、作業趣旨としては良好でしたが、とある作業者からひと言
「確かに土寄せ出来とるけど、重たいし転倒したら危なくて使えんなぁ」と。

その声を見逃さなかった、当社は前進作業で開発可能か検討に入りました!

先ずは、鳥取県農業試験場のローラー式培土器を反転させて
前向きに装着する方法です。
これは、管理機に対して後方(タイヤ側)に装着するので
重量が課題となりました。テスト圃場では、管理機が進まなく
スタック状態が何回続いたことやら・・・。
ローラー式はそのまま採用でしたが、そこの作業に行き着くことなく
あえなく撃沈でした。帰社時の車中は、無言でしたね。

重量が課題と分かって、一部アルミ採用やローラーの個数を減らしたりと
約2年間の撃沈と発見を繰り替えす日常の結果、ようやく一筋の光が見えてきました。

それは、ローラーの数を左右1個ずつに減らし
ローラーの径を大胆に大きくするという案でした。

これも、テスト中に農家様からポロっと出たひと言・・・
「ローラーが抵抗となりすぎて管理機が進まないから、数を減らしてローラーの装着位置を変えたらどうだ?」
というものでした。
簡易的に、その場で試してみたら効果的に土寄せ作業をするローラー式培土器の姿が・・・。

その日は珍しく、帰社時の車内は会話が弾み
これからの展望を語ったことを思い出します。

「農家様の一言」は、とてつもなく大事な一言でした。

早速、最終型となるローラー式培土器を製作し
白く長い美人なネギができるよう「ねぎ美人」と命名いたしました。

それからは、鳥取県内のあらゆる圃場環境での実演と
県外での実演を行いました。

作業性は好評を得る結果となり、ネギ専用の管理機には装着できるよう
設計も進み、ようやく「ねぎ美人」が商品として
県内外に販売されていきました。

農業業界の各新聞や雑誌にも掲載をしていただき
徐々にではありますが、知名度も上がっていると自負しております。

しかし、まだまだ知っておられない農家様も数多くございます。

いち早く、ネギ土寄せを楽に行っていただけるため
当社も営業活動を加速して参ります、

今後とも、よろしくお願いします!

※ヒストリーは、かなり省略しております。ここには書き記せないほど
悔しい思いもしましたし、路頭に迷ったことありました・・・。
しかし、今こうやって「ねぎ美人」が商品化となった結果は
開発にご協力いただきました関係者のおかげでございます。